昔昔あるところに、小さい女の子がおりました。
女の子の名前はミリー。
ミリーは生まれた頃から体が弱く、
いつも部屋で本を読んでいました。
それから月日は経ち、
ミリーは15歳になりました。
ですが体調は良くなるどころか、
次第に立ち上がる事も難しくなってきていました。
ミリーのお父さんは、
日々弱っていくのを見るのが辛くなっていきました。
お父さんもできる限りのことをミリーにしてきました。
ですが少しも良くなりません。
意を決して、お父さんはミリーに問いました。
「お前はこれからも、
こうして生きていきたいか?」
お父さんは、ミリーに選択を委ねました。
ミリーは力を振り絞り、笑顔で言います。
「私は、家の為になりたいです。」
その言葉は、死を意味していました。
ミリーは子どもを産むことも難しく、
婚約も出来ませんでした。
そして、
ミリーの為の薬は安くなく、
家は傾き始めていました。
お父さんはミリーの言葉を聞き、
悔しさと苦しみ、
そして、
安堵の気持ちが、心を占めました。
お父さんは優しい笑顔を保ちつつ、
部屋を出ていきました。