この大学では、学生会執行部が絶対的な権力を保持しており、サークルや部活に所属している学生はもちろん、それ以外の学生たちも日々、目に見えぬ圧力と戦いつつ学生生活を送っている。

学生会執行部が絶対的権力を手に入れたのは、今年度の学生会長が学生会の幹部になった時からだった。
現在僕は無事留年を免れ、大学三年生となっている。
学生会長である【彼女】も前年度の会長が就職活動に追われ、内定という大きな壁と戦っており、どうにもこうにも会長の職務を全うできないため、三年の前期に急遽会長となった。
僕は彼女が会長になることを、心底怯えていた。


まるで江戸時代に高度文明を持つ宇宙人か巨大怪獣が現れ、為すすべなく立ち尽くす住民たちのような立場に立たされるであろう学生達の顔が目に浮かぶためである。