「ゆづきちゃんって、いくつ?」

「25です」

その日は会社の飲み会だった。

中途採用の私に対して皆、興味津々で。

とにかく質問攻めだった。

「25歳かぁ~。いやー、若いね」

前に座っていたオジサンがビールを飲みながら。

隣にいた王子の肩をパシパシと叩く。

何故か、私の目の前には王子が座っている。

王子は叩かれることに対して嫌な表情もせず。

「そうですねー」と頷く。

その光景に思わず笑ってしまう。

「福王子さんも若いじゃないですか。同じくらいですか?」

と私が言うと。

オジサンは急にゲラゲラと笑い出した。

「え? 違うんですか」

「いやー、やっぱり福王寺君は間違えられるんだね」

オジサンはただただゲラゲラ。

王子はうつむいて、目を合わせない。

「この男、もう40近いからね」

よんじゅう・・・

「は?」