「今日も綺麗に咲いてるな。」
私はベランダの花を見て綻んだ。
この花はいっつも上を向いてシャンと立っている。
私もこの花みたいに生きることが出来ているだろうか。
私は、私の生きるとは何だろう。
その日も一日中考えていた。
「部長、どうなさったんですか?」
「ん、あぁいや、何でもないよ。
書類かな。」
「あ、はい。
お願いします。」
カキカキカキカキ
「あの部長。」
「ん?何かね?」
「今日飲みに行きませんか?」
「へ?あぁ、構わないがどうかしたのか?」
「いえ、ただ部長と飲みたくなったんです。」
「?
そうか。
じゃあ飲みに行くところ決めていてくれ。」
「はい。
美味しいところに行きましょう。」
「あぁ。頼むね。
はい書類。」
「はい。ありがとうございます。」
_________
「部長、行きましょうか。」
「あぁ、待たせたか?」
「いえ全然。
じゃあ行きましょうか。」
「よし。」
_________
「ヒック…部長、今日おかしいです!」
「そうか?」
「はイッ…はい!
ぼーどしてました!」
「それは心配かけたね。
すまんな。ありがとう。」
「……部長!なんかあったんれしょ!
俺に話してみてください!
若いから解決できることもあるっすよ!」
「…ははっ、そうだな。
んー、じゃあ質問していいかな。」
「どーも!
あ、どーぞ!」
「はははっ
…
…君の、「生きる」とはなんだい?」
「「生きる」?
んー、今!」
「今?」
「そっす!今生きてるっす!
それが俺の生きるっす!」
「…じゃあ、君の生きたいと思う事はなんだい?」
「生きたいと思うこと…?
んー、それはあんまないっすけど…
死にたくないって思うんで〜それが理由っす!」
「死にたくないが理由か…
はははっ、君は面白いね。
そして羨ましいよ。
そんなにハッキリ言えるんだから。」
俺は頭では納得はしてもそれで心まで納得はしない。
「…俺にとっちゃ部長が羨ましいっすよ。」
「え?私がかい?」
「そっすよ!
部長は部長になれてます!
社会的地位があるっす!」
「そうか、地位か、なるほどな…」
でもそれがあっても何も満足しな「それと、」
「え?」
「俺、部長に憧れてるし尊敬してるっす!
部長はこんなにしたってくれる俺という部下がいるっす!
部長は一人確実に味方がいるっす!
…俺は、よく失敗するし迷惑かけっぱなしだし、
だから味方が分からなくなるっす。
だから俺という味方がいる部長が羨ましいっす!
俺は頼りないけど一人はいるっすからいいっすよね?!
足りないとか悲しいこと言わないでくださいっすよぉ…ぉ……グゥー」
「…はははっあははははは!
…そうだな。
確かに俺は羨ましがられる対象だ。
…こんなにいい部下を持っているんだからな。
大丈夫。君にもいるよ。
私と言う味方が。
君をもっと頼れる男にしてやる。
だからこれからも味方でいてくれよ。」
「部長〜…カツラがはげそうです〜……グゥー」
「…君、
明日からビシバシ鍛えてあげるからな…」