「師長にひとまず状況連絡しておくな。」
朝陽は理恵に変わり看護師長に連絡をしてくれた。
なんとか朝陽に手伝ってもらいながら身支度を済ませると理恵はかかりつけの呼吸器内科へ向かった。
待合室でも理恵は気分が悪くて朝陽に寄りかかる。
もしかしたらまた甲状腺の機能が低下しているのかもしれないと不安になる。
「大丈夫だよ。薬もちゃんと飲んでるし。」
「和田さん」
朝陽の言葉に励まされながら、診察室に呼ばれた理恵は朝陽と一緒に診察室に入った。
「血液検査の結果ですが。」
医師の言葉に理恵に緊張が走る。
医師は言葉を止めて理恵と朝陽の方を見た。
「なんですか?」
朝陽も緊張しながら医師に聞く。
「診察しないとならないのはここじゃないね」
医師の言葉に二人は目が点になる。
「へ?」
朝陽も気の抜けた言葉を上げた。