風呂から上がり、いつも通り用意してくれていたサイダーを飲んでストレッチに向かう。


「ハル、見て!前より柔らかくなったと思わない?」


初めて一緒にストレッチをした日から、陽毬は俺とストレッチをするのが習慣になった。


長座になって体を倒す陽毬を見ると、僅かに手の指先が足の爪先に届いている。

まだまだ硬い事には変わりないが、最初なんてスネくらいまでしかいかなかった事に比べれば……。


「成長してんじゃん」


「でしょ!?」



いや、そんなドヤ顔されても…。

ヘソが太ももにつくようになってからドヤ顔しろよ。


「もっといけんだろ。はい、息吐いて」


「へっ…?ギャー!!ギブギブギブ!!」


うん、さらに5センチはいけたな。

あんまりやり過ぎると肉離れするから、程々でやめてやる。

「痛い…」と蹲ってる陽毬に、風呂で考えていたことを聞いてみる事にした。