「好きになれそうなのか?陽毬ちゃんのこと」


「…分かんねぇよ、まだ」



先のことなんてまだ分からない。

俺たちは始まったばかりで、今は新しい生活に慣れることから始めているんだ。


相手を知って、自分を知ってもらって。

今はまだその段階。

時間はある。

焦る必要はない。



「まぁ、ゆっくりやるわ」


「そっか」



少しずつでいい。


少しずつ、陽毬のことを知っていこうと思ってる。


陽毬に「了解」とだけ返信をして、練習へ向かった。