「はい、お待たせ」
「サンキュ。…いただきます」
お箸を持ってご飯を食べるハル。
一口が大きくてすぐになくなっていくのを見ると、当たり前だけど、男の子だなぁと実感する。
「美味い」
「ほんと!?ありがとうっ」
ハルはこうしていつも美味いって言ってくれる。
お世辞でも嬉しいよね、好きな人にそう言われたら。
実は、あの日買いに行ったお箸やコップは全てお揃いにした。
ハルはそういうの嫌かなと思ってたんだけど、「選ぶの面倒」という理由で私と同じで良いって言ったんだ。
ハルにとっては本当に面倒だったからなんだと思うけど、私はそれが嬉しくて仕方なかった。
形だけだったとしても、婚約者なんだと示してくれているみたいで嬉しかったんだ。