しばらくバランスボールと格闘していたら。


「お前、何してんの?」


いつの間にか帰ってきていたらしい。

バランスボールと格闘する私を見てハルがポカンとしている。


あ、その顔初めて見た。

やった!

今日も新しいハルの顔見られたー!


なんて喜んでいたら。


「わあっ」


見事に後ろに頭から落ちた。


うっ…

恥ずかしい…っ。

頭打った…痛い…。


「ふっ…ははっ」


え…?


「お前、バカだろ…っ」


ハルが口元を押さえて笑っている。

いや、爆笑している。



少しずつ笑ってくれるようになったけど、ここまでちゃんと笑ってくれることは今までなかった。


嬉しい。


ハルのいろんな顔を見るたびに、どんどん好きになっていく自分がいる。

元々あんなにも大好きだったのに、それ以上に底無し沼のようにどんどん嵌っていく自分がいる。


でも、好きだと思うたびにチクッとする胸の痛みは…これからも消えることはないんだろうなと思う。