「陽毬ー!お風呂入りなさーいっ」



はっ!ヤバイ、忘れてた!!

お父さんに先に入られちゃう!!




階段下から呼んでいるであろう母の声で我に返り、慌てて着替えを持って洗面所へ向かった。




「ふ〜…気持ちいいー…」



身体を洗い終えて湯船に浸かっていても、考えるのは彼のこと。


私、そのうち考えすぎてパンクするんじゃないかな?


考えすぎてしまうのは、きっと会えないから。

会えないからこそ、彼のことを考えてしまうのだろう。



というか、そもそも会えないのはお互いの母親のせいなんだけど。




全ての始まりは、母親達の出会いにあるのだから。