こうして決められたルールのひとつが、時期が来るまで2人を会わせないこと。
成長過程を写真に収めて相手へ送り、会えるのは写真の中だけにすること。
なんでそんな事をするの?と聞いた私に、母はサラリと答えた。
「え?だってその方が燃えるじゃない?」
その言葉を聞いた時はちょっと理解出来なかった。
だけど、今の私はその策略に見事にハマったといえる。
悔しいけれど、会えない日々が続くのと比例して、私の恋心が募りに募っていくのだから。
「会いたいなぁ……」
ポツリと呟いた私の声は少しだけ響いて、湯気とともに消えていった。