ブ――…ッブ――…ッ


誰~?


あ、慎也…

まだ朝の7時半だよ。

何か急用かな?



「もしもし~」

『あ、里菜?俺。

俺さぁ、お前ん家にライター忘れてない?』


あ…そういえば

「あるある。届けようか?」


『悪いな。
あ、今日は用あるんだわ。
また適当に届けてくれる?』


「あい。」



はぁ。

朝っぱらから何かと思った。



ライターライター…

あ、あった。



昨日の夜ちょっとうちへ来た慎也はタバコを吸ってた。

もちろんこのライターで。


このライターは去年の
慎也の誕生日にあたしがあげたやつ。


何気に大切に使ってくれてる。

見える所には二人で撮ったプリクラ。


慎也はタバコを吸う時
必ずこのライターを使ってくれるんだ。

それにいつも持ち歩いてくれる。



慎也は付き合い始めた頃からタバコを吸ってた。


それを見てあたしも遊び心で手を出してしまった…


それからはやめられなくて
ほんと苦しんだ…


でも今はもう吸ってない。

あいつのお陰で。