『里菜…』

「話しかけないで。

美優、行こっ」


『えっ?あ、うん。』


あんな男…
もう関わりたくない。


せっかく幸せな思い出として、しまっておけそうな気がしたのに…


最低だよ…。


『里菜、里菜は強いね』

あたしが?強い??


「そんな訳ないよ。

ただ悔しかっただけで、
それ以外の感情なんてないから」

『それでも、
里菜は里菜の男を取ってきたツレのことを庇えるんだもん』


庇った?あたしが純奈を?


そんなつもりはなかった…


でも、あたしは純奈を庇ったんだよね。


「…まぁ!

どっちにしたって、あたしにはもう慎也なんて関係ないもん。

ただ反省してないことにムカついただけっ!」


『はいはいっ(笑)』


もう…忘れよう。


慎也のことは

もう終わったことだから。