あたしは毎日学校帰りに慎也の家に寄ってた。


ろくに学校に来ない慎也に会うために。



その日もあたしは慎也の家に行って二人でじゃれあってた。


『あ、今日さ…』


「ん?」


『いや、なんもない』


「何さー?」


『あー…大輝が…さ…』


あ、慎也もしかして知ってる?


「知ってたの?」

『あぁ。

今日の朝大輝がうちに来て、
"今日里菜に告白させてくれ"って…』

「わざわざ許可をとりに?」

『そう。
最初はふざけんなよって思ったよ。

でも…』

「でも?」

『大輝に言われた。

"お前の前にいる里菜は
笑ってるかもしんねーけど


俺が見てきた里菜はいつも辛そうだ"って。


俺何にも言えなくてさ。』

「大輝が…」

『あぁ。

"俺は慎也のことすっげー大事な親友だと思ってるよ。


馬鹿するのだって
お前とじゃなきゃつまんねー


でも里菜もいつの間にか
俺にとってスゲー大事な女になってたんだよ。

最初はただ笑わない里菜に
同情しちまってるだけだろ

って思ってたけど…


でも違った"って。


俺お前がムリしてんの
気付いてやれなかっただろ?


なのに大輝が気付いてて
悔しかったっつーか…』