「宮家希くん……」

ポツリと名前を呟いて、窓の外を見る。

昨日、彼に聞こえただろうか。




私の願い――――。





会いたい。

何故か無性にそう思う。

暴走族なんて、私と最も縁の無い人達だろう。

夜中にバイク乗り回して、喧嘩しちゃったりするような。

数年前まで、暴走族と言うものは私にとってすごい怖いものだった。

夜中に鳴り響くバイクの音が怪獣のうなり声みたいで。

その度に、弱い私の心臓は発作を起こしてしまう。

毎夜、看護師さんに迷惑をかけることになって。

看護師さんから[鳳凰]と言う暴走族が、暴れまわっているんだと聞いた。