それから数日後、スマホが無いまま生活をし…金曜日になった。
帰りの会の後、那奈がスマホのある画面を見せてきた。
「ペリドット色の夜空…?」
「真莉、これ知ってたか?この町で有名な現象らしいぜ。この夜空を一緒に見ることが出来た男女は、両思いになれるんだとよ」
「へぇ…すごいね。全然知らなかった」
「実莉とかこういうの好きそうだけどな。それで、今夜はペリドット色の夜空が見れるかも!っていうニュースがこの町に新聞で話題になってた」
「見るだけ見てみたいなあ…すっごく綺麗なんでしょ?」
「直に見たことはないけど、ペリドットって緑に近い色だし、綺麗だろうな」
想像しただけで綺麗……。
それが今夜みられる。
部屋の窓から見られるかな?記念に写真も撮りたいし…。
「とにかく、今日は塾だし早めに帰る。また月曜日な」
「うんっ、那奈バイバイ」
那奈に手を振り返すと、自分の鞄を持って家に帰った。