【桑田 遥サイド】
息が、出来ない。
腹部からどろどろと溢れる血が、私の体力を奪っていった。
力を出して、目をうっすらと開けると…ちょうど皆がこの部屋を出ていく。
良かった…、最後に顔を見なくて。
見てしまったら、きっと死にたくないと思ってしまうから。
まだ生きていたいと必死に叫んで、助けを求めてしまうから。
ゴホッと咳をすると、口からボタボタっと血が出てくる。
…こんなので、助かるわけないけどね。
「…か、なた?」
重ねられている手をきゅっと握り、微かに息をしている彼方に話しかけた。
今さら、話がしたいとは言わない。
ただ、この現世のうちにどうしても伝えたかったんだ。
きっと、このあとにすぐ天国への扉が開いてしまうから。
「私、ね…?彼方と……会えて良かっ…た……。」
目が開かない彼方を見て、少し寂しくて涙が溢れ落ちる。
「生まれ変わっても……、きっとまた…会える…。会おう…ね?絶対だよ……、かな…たの……気持ちが…っ、私に…向いて、なかったとしても……私は…彼方が…好きだから…っ」
「本当…、遥は…変わらずバカだね」
「え……?かな、た…?」
驚いて目線を上げて見ると、彼方の目がうっすらと開いていた。
私が握っていたはずの手は、反対に彼方に握られている。
「僕から、告白したはずなのにさ……、気持ちが向いてないわけない…よ」
「彼方…っ」
「遥のこと大好き。……生まれ変わって会おうなんて…今度は僕から言わせてね…?」
彼方から一筋の涙が溢れた途端、その綺麗な瞳は隠された。
「彼方……っ、大好き」
スッと体から力が抜けて、途端に軽くなる。
目を開けた先は眩しい光。
『遥、ずっと待ってたよ』
晴留…私の双子の弟が目の前でにこっと微笑んだ。
そして、彼方が私の前に歩み寄り、手を差しのべる。
「行こう、遥。もう離したりしないから」
「う、ん……っ!!」
光に進んでいき、私は現世での人生を終えた。
息が、出来ない。
腹部からどろどろと溢れる血が、私の体力を奪っていった。
力を出して、目をうっすらと開けると…ちょうど皆がこの部屋を出ていく。
良かった…、最後に顔を見なくて。
見てしまったら、きっと死にたくないと思ってしまうから。
まだ生きていたいと必死に叫んで、助けを求めてしまうから。
ゴホッと咳をすると、口からボタボタっと血が出てくる。
…こんなので、助かるわけないけどね。
「…か、なた?」
重ねられている手をきゅっと握り、微かに息をしている彼方に話しかけた。
今さら、話がしたいとは言わない。
ただ、この現世のうちにどうしても伝えたかったんだ。
きっと、このあとにすぐ天国への扉が開いてしまうから。
「私、ね…?彼方と……会えて良かっ…た……。」
目が開かない彼方を見て、少し寂しくて涙が溢れ落ちる。
「生まれ変わっても……、きっとまた…会える…。会おう…ね?絶対だよ……、かな…たの……気持ちが…っ、私に…向いて、なかったとしても……私は…彼方が…好きだから…っ」
「本当…、遥は…変わらずバカだね」
「え……?かな、た…?」
驚いて目線を上げて見ると、彼方の目がうっすらと開いていた。
私が握っていたはずの手は、反対に彼方に握られている。
「僕から、告白したはずなのにさ……、気持ちが向いてないわけない…よ」
「彼方…っ」
「遥のこと大好き。……生まれ変わって会おうなんて…今度は僕から言わせてね…?」
彼方から一筋の涙が溢れた途端、その綺麗な瞳は隠された。
「彼方……っ、大好き」
スッと体から力が抜けて、途端に軽くなる。
目を開けた先は眩しい光。
『遥、ずっと待ってたよ』
晴留…私の双子の弟が目の前でにこっと微笑んだ。
そして、彼方が私の前に歩み寄り、手を差しのべる。
「行こう、遥。もう離したりしないから」
「う、ん……っ!!」
光に進んでいき、私は現世での人生を終えた。