着ているワンピースの袖を捲り、気合いを入れて廊下を走った。




足は遅いけど、でも大人からは逃げることが出来る。



ふと、横の壁になにか機械が取り付けられているのに気がついた。



なんだろう…これ。



赤い線のようなものがライトのように、反対側の壁に繋がっている。



不審に思った私は、垂れているコードを引っ張る。



ブチッ!!




バチバチっと火花が散り、機械から出ていた赤い線が消えた。



これって、もしかして…。




特別センサーだったの…?




少しでも引っ掛かれば、サイレンが鳴って、施設の人に見つかってしまうところだった。




危機一髪……。



心臓が高鳴り、ふぅ…と深呼吸する。




そっと足を出して、特別センサーが完全にoffになったことを確認すると、向こう側へと走り始めた。




福井くんを助けなきゃ!



今、私のせいで福井くんは危険な状態でずっといると思う。



だって、あの時の言葉はきっとそういう意味だったんだもん。




『また、会えるといいね』





福井くん、今度は私が助ける番だから。



絶対に、助けてあげるから!!