ビーーーーッ!!!




「っ!?」



「な、なに!?」




とんでもなく大きなサイレンのような音に、夜中目を覚ました私と実莉。




ベッドから起き上がり、鳴り止まなそうなサイレンの音から逃れるように耳を塞いだ。



一気に目が覚め、眠たさの欠片がなくなった目を瞬きさせると、ベッドから降りて実莉に近寄った。



「耳が痛い……、あっ…!音子ちゃん大丈夫かな!?」



音子ちゃんは『聴覚完全記憶能力』だったはず。



このサイレンを聞いたら必ず耳に残ると思う。




「音子ちゃんのところ行こう!」


「うん!真莉ちゃん、寒いからこれ羽織っていって!」



実莉から薄い毛布を受け取ると、一緒に個人部屋を出た。