「お邪魔します。急にごめんね、真莉ちゃんと話がしたくて…。」





「私からも言いたいことあるけど、先行は音子に譲るよ」




音子ちゃんは私にそろそろと近づくと、急に頭を下げた。




「ごめんなさい」





「…え?」





「私、バカだった。…普段と違っても、真莉ちゃんは真莉ちゃんなのに。怖いとか言ってごめんなさい。ここしばらく、ずっと反省していたの、なんてことを言ってしまったんだって。




本当にごめんなさい。」







「そ、そんな…音子ちゃん頭を上げて?」




私がそう言うと、音子ちゃんはゆっくりと頭を上げた。





「…私からもごめんな。その…、ずっと会いに来なくて。


怖いのひとつやふたつ、言ったり思わなくても…あの時研究員に、反論とか言い返したり出来たのは実莉だけだったからさ。自分が情けないと思ってた。本当にごめん」





「那奈ちゃん……あのね、ひとつ言いたいことがあるの」





「ん?」





「顔赤くなってて可愛い……」





「は!?う、うるさい見るな!!」






私がそう言うと、那奈ちゃんは顔を更に赤くしてそっぽを向いた。




音子ちゃんと実莉も空気に飲まれて固まっていたけど、いつの間にか笑みが溢れている。




「私、全部実莉から聞いたから大丈夫だよ。それに…あの時の言葉なんて気にしてないもん。




音子ちゃんの意識が朦朧とするくらい怖かったんだなって。もうあの時みたいに怖い思いはさせない。





自分に起きたことだから、自分で治して解決してみせる」





「ふふっ、真莉ちゃんは強いね。自分が解剖されていたかもしれないのに…そうやって前向きに考えられるのはすごく羨ましいよ」





「そう…かな?」





「…真莉ちゃん、私達を許してくれますか?」









「もちろん!これからもよろしくね」