私と実莉の会話を隣で聞いていた海斗くんが、そう言って教えてくれた。






「や、やばいことって…?」







「さぁね。目に機械みたいなのつけられて、嫌な画像とか無理やり大画面で見せられるんじゃない?『視覚完全記憶能力』なら、それを覚えるでしょ?研究員はそれを利用してるんだ」






「そんな……」







ぶるっと鳥肌が立って、その場面を想像してしまった。






「おい彼方、余計なこと吹き込むな」





彼方くんの言葉に怖くなって震えていると、海斗くんがそう言った。






「ごめんごめん。許してよ」








「とにかく、私達の能力は研究員に利用されるってことだ。その福井ってやつも、利用されてるわけだしな」







那奈ちゃんがそう言い、実莉が私を見る。






「私達もいつかひどいことされる時が来るのかなー…?」





「一番ひどいのは解剖だ。体はバラバラにされ、ある一部分を取り出して研究材料にする。その途端に、私達の命は呆気なく落とされるさ」






「そんな……、解剖って…もうされた人がいるの?」






私がそう聞くと、那奈ちゃんは難しい顔をして、口を開いた。






「……多分、まだいない。だけど…このまま施設にいたら、私達も解剖されちまうだろうな。いずれかだが」





「それをなんとしても間逃れたいっていう気持ちが、私と那奈にはあるの。だって、まだ生きていたいでしょ?」





「私も死にたくない…変な解剖とかされて、死んじゃうなんて嫌だよ」







「そのために、ある作戦を立てようと思う。
だけど、その話をするのはもうしばらく後になりそうだ。



少し待っていてくれ、考えてみる」