「……り!花莉!」
大好きな彼の声が近くで聞こえた気がして、ぱちりと目を開けた。
すると、目の前にいたのは詩優で……。
「…1人にしてごめん」
頬に触れて、指で目元を拭ってくれる。
そこで気づいたんだ。私は泣いていたんだと……。
「……怖い…夢…見たの」
ゆっくり起き上がって、ぎゅっと詩優に抱きついた。
すると、すぐに強く抱きしめてくれて…温かい手で頭を撫でてくれる。
…安心する。
詩優の手は魔法の手だ…。
「…一緒に寝てもいい?」
今は怖いから1人でいたくないの…。
断られたらどうしようかとも思ったが…
「当たり前。俺の部屋おいで」
その言葉を聞いて安心。
詩優は私の頭を撫でるのをやめて、体を離すとぐいっと私の体を抱きかかえた。そしてそのまま部屋を出て、詩優の部屋のベッドの上でおろされた。