みんなの分のカレーをよそって、テーブルの上へと置くとすぐに
「いただきー!!」
と壮くんがカレーを頬張った。
「い、いいただきます!」
続いて誠くんも手を合わせてからカレーを食べる。
けど、奏太くんは…カレーにいっさい手をつけず私を見ているだけ。
…もしかして…奏太くん、カレー嫌いとか?
私はそっと、冷蔵庫から牛乳を取り出して、コップに注いだものを奏太くんの前には置いた。
奏太くんは牛乳が好きだから、大好物があれば嫌いなものだって頑張れるよね?
「……ち?」
小さな声が聞こえてきて、よく聞き取れない。
首を傾げると、奏太くんは不機嫌になりながら
「…甘口?」
今度は私を睨みながら聞いてきた。
「…中辛、だけど……」
私が答えると「チッ」と奏太くんが舌打ちをする。
もしかしてのもしかして……奏太くんは…
「…辛いの嫌いなの?」
ちらりと奏太くんを見ると、不機嫌そうな顔をしながら
「…なわけねぇし」
わかりやすい嘘をつかれた。