「竜二。詩優から何も聞いてないんだけど、今年もやるの?」
京子の言葉に竜二さんは一瞬考えてから、「あぁ」と答える。
…今年もって…何かやるんだろうか。
疑問に思っていたら竜二さんが私と目を合わせて
「妃芽、雷龍には恒例行事があってな。
年末には倉庫の大掃除、大晦日は年越しカウントダウン、元旦は暴走、それから新年会がある」
丁寧に説明してくれる。
「…そ、そんなにたくさん行事があるんですね」
「忙しくなるから覚悟しておくといい」
優しく微笑む竜二さんは、すごく楽しみなんだろうと思う。
「はい!」
元気よく返事をしたら、京子に笑われる。
「去年はね、新年会でみんなちょーーっとお酒のんだんだけど、倫也と明日葉が弱すぎてね。すぐにベロンベロンに酔っ払ってておもしろかったのよ」
京子の言うちょーーっととはどのくらいなんだろう…。
絶対ちょとじゃないと思うんだけど……。
なんだか京子も楽しそうで、私も楽しみになってしまいそうだ。