「はい」
京子はにやにやしながら私に進路希望調査を返す。
そして、そこに書いてあった文字を見て思わず手を止めた。
だって、そこには
“詩優のお嫁さん♡”
と書かれていたから…。
しかも第1希望から第3希望まで。
…そこで私は気づいてしまった。
進路希望調査なんて考えなくても、私にはもう未来なんてない…ということに。
私はここから姿を消すんだ。
みんなとは離れたところで生きていかなくちゃいけないんだ。
「そうなったらいいなぁ」
にこりと笑って見せた。
「ってこれ…ボールペンで書いたの!?」
よく見ると…よく見なくてもわかるけど、進路希望調査に書かれた文字はボールペンで。
京子は満足そうに笑うとサンドイッチを頬張った。
まぁ、いいか。
どうせ提出してもしなくても怒られるんだから。このまま担任に提出しよう。