……え?
…その写真を……ばらまく……?
そしたら…
きっと詩優だけでなく……詩優のお父さん、朱里さん……それから竜二さんも大変な目に……
それを考えたら怖くなって、
「やめて……」
と宮園さんが手に持った写真を奪った。
「写真のデータなんてこっちにあるので無駄ですよ」
余裕そうな目の前の男は、何も言えなくなった私を見て満足そうに笑うと、
「写真をばらまくのを回避する方法がひとつだけあるんですけど……
聞きますか?」
…そんな方法……いい方法なわけない…というのはわかる。…わかってるんだけど…
私はこくんと頷いた。
「あなたが私と結婚すること、です」
宮園さんは固まった私を見て「ね?ね?おもしろいでしょう?」と聞いてくる。