「殺すよりももっともっとおもしろいことを考えたんです。私は天才ですよ」
宮園さんと目を合わせたくないのに、顎を持ち上げられて無理矢理視線を合わせられ…あまりにも冷たすぎるその目に動けなくなった。
「あなたを私のモノにすればいい、と」
そう言ったあと、私に顔を近づけてきて……
唇が触れる前にぐいっと宮園さんの体を押した私。
「……なるわけない…」
やっと出たと思った声は震えてしまって、宮園さんに笑われた。
「大丈夫。私の話を聞いたあと、自分からなりたいって思うようになりますから」
…話?
……嫌な予感しかしない。
「妃芽乃様、問題です」
宮園さんは口角をあげた後に
「夜瀬家と繋がりのある方々……ホテルの従業員、財閥、名家にこの写真をばらまいたらどうなるでしょう」
さっき見た詩優が特攻服を着た写真をひらひらさせた。