…詩優っ………!!
心の中で彼を呼んでも苦しいのには変わりなくて、
もうだめかも…と思った時、首元の力は緩められた。
空気がたくさん吸えるようになって、もがくように空気を吸うと咳が止まらなくなる。
…ここにいたら殺される……!
そう思い必死に車のドアを開けようとしたが開けることはできなくて……
私の両手は覆いかぶさっている宮園さんによって押さえつけらてしまった。
「落ち着いてください。あなたを殺しませんから」
宮園さんの楽しむような声が耳に届く。
それから体を離してくれて、私は必死に呼吸を整えた。
息を吸って…はいて…。
落ち着いた頃、起き上がってまた車のドアを開けようとしたがやっぱり開かなくて……
ドアのロックなんてかかっていないことを確認してもやっぱり開かない。
…逃げられない……