「暇だなぁ…」

そろそろ竜之介の試合も、直希の試合も始まる頃、家で退屈そうにする陽菜。

「行っちゃう?行っちゃう?」

時計を見ながら独り言。



「…行っちゃおう!」

陽菜は勢い良く立ち上がり、家を出た。


その頃、竜之介は観客席に陽菜がいないことにほっとしていた。

直希は観客の中に陽菜を捜していた。

陽菜は、

「やっぱり…」

と、引き返そうとしていた。

「でも…」

迷い迷ってまだ、家の前。