「見栄っ張り…。暇じゃない人が野球の応援には来るんですか?行ってあげなって。」

竜之介が言う。

「………行きません!!」

「あっそう、どっちでもいいけど、俺、もう行くから。」

「さっさと行けば?」

「行きますよ!!」

竜之介は行ってしまった。

陽菜が家に入ろうとしたとき、向かいの玄関で音がした。

出てきた直希と目が合う。

「陽菜?珍しっ!!いつも寝てる時間だろ?あっ、そういえば昨日も早起きしてたっけ?」

「うるさいよ。」

「あっ?さては応援…」
「頑張ってください〜!じゃ!」

陽菜は家に入って行った。

「おいっ…」

直希は立ち尽くす。

そして、頭をかきながら陽菜の入って行った家の玄関を見つめ、しばらくしてその場を後にした。