「心配しなくても行かないよ…」

次の日の朝、玄関を出た竜之介に、塀越しに声をかける陽菜。

「早いね、陽菜ちゃん…」

「竜ちゃんこそ。」

「これが普通だよ、俺達は!」

「俺達?」

「そっ!直希君もそうだよ。試合のある日はこんなもの。たまに会うし。」

「まっ、頑張ってね。」

「陽菜ちゃん、直希君の応援は?」

「行…行かないよ、何よ!」

「本当は来てほしいんだよ?」

「竜ちゃん?」

「直希君!!」

「ないないないない!!」

「…行ってあげれば?」

「暇じゃないの!!」