「ねぇ竜ちゃん、明日野球の試合なの?」

陽菜が急に駆け寄って来て、竜之介にたずねる。

「な…なに?そうだけど…」

竜之介が答える。

「応援、行ってあげる!」

「結構です!」

「遠慮しなくても…」
「してません!そもそもルールわかんないだろ!?昔っからサッカーサッカーで。明日は直希君の試合あんだから、そっち行けば?」

「なによ…ルールわかんなくたって、応援は出来るんだから…そんなに、そんなに竜ちゃんは私が嫌…い…」

陽菜は走って行ってしまった。

「あ…っと…」

困った顔の竜之介。

「気にすんな。適当にあしらっとけ。」

直希の慣れた対応にも竜之介の表情はすぐれない。

「あんなヘコんだふりして、明日になればコロッとしてんだよ。覚悟しとけ!」

「…?」

「来るぞ。」

「へっ…?えっ!!」

「ご愁傷様。…いや、ヤジ女の御利益あるかもだからさ。」

「え〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

竜之介は頭を抱えた。