「良かったじゃん。失恋じゃなくて。」

竜之介が陽菜に言う。

「でも、幼なじみが…親友がずっと隣にいるわけにいかないんだよねぇ…」

陽菜が言う。

「恋すれば?」

竜之介が言う。

「どこにあるの…恋…」

陽菜が窓の外を見ながら呟く。

「だからいつも隣の人(直希)に…」

この竜之介の言葉は陽菜に届いていなかった。


“一緒にいたいのに恋にならない…違う恋を見つければ陽菜ちゃんから離れて行くのに…それは考えたことなかったんだな…”

竜之介は心の中で呟いた。


「陽菜ちゃん、もしかして他にも引っかかる事あるんじゃない?」

竜之介は陽菜にたずねる。