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通勤ラッシュが過ぎ、いつもより人が少い。

「あそこのパン屋すごい美味しいよ。」
奏の様子はいつものように戻っていた。


会話は止まらず、1時間ほどかかる駅が5分たらずのように感じた。

(奏くんがモテる理由わかるかも。)

大嫌いな雨も丁度止んだ。

「私、この駅で降りるね。ありがと。」

「うん。気をつけてね。」

「バイバイっ。」

「また明日。」

奏が乗った電車が流れて行く。


あの悲しげな顔が忘れられない。

奏が気になる…。


初めての感情だった。