『コンコン』
「失礼します…」

ドアを開けると仁王立ちの綿貫先生。

「遅い」
「ご、ごめんなさい…」
「この俺を待たせたんだから相当な覚悟があるんだよな?」
「ご、ごめんなさい許してください」
「許してだと?ふざけんな。人待たせておいてそんなこと言うのか?」
「……」
「お前は俺のためだけに生きてればいいんだよ」

もう逃げられない。
怖い。この人から誰か私を助けて…。


昼休み終了の予鈴のチャイムが合図となり私は解放された。
でも次の授業は選択授業。
またこの人と一緒…か。

「あ、長澤さん!珍しいね時間ギリギリ!」
「うん、社会科準備室にギリギリまで居たから」
「ふーん、なんの事だったの?」
「…あ、問題集でわからないことあって聞いてたら他にも色々教えて貰って」
「さすが優等生だね」
「そんな事ないよ」

その時本令がなり綿貫先生が入ってきた。

「月方…お前最近ちゃんと授業に出席するようになったな」
「でしょ!ま、他人には迷惑かけらんないからさ」
「いい心掛けだ。」

綿貫先生は横の月方くんと会話してるはずなのに私のことをずっと睨んでる、そんな視線を感じてしまった。