「ごめん」




彼の横に立つとグラリと視界が傾く。




体勢を崩したみたい。




「っぶね…しっかりしろよ」




また、助けてくれた。




小さい頃は私よりも細かった腕が、今では頼もしくなっている。




あの頃とは違う。




純粋だった私も、今では恋愛対象として貴方を見ている。




助けてくれた手でさえも、触れてくれたんだと喜んでいる。




ダメだな、彼にはそんな気ないのに。