『ちょっとオカマって言わないでよ!?
私は、オネエ。心は、女性なんだから
失礼しちゃうわね』

『オカマもオネエも同じじゃねぇーかよ?
何が違うんだよ?ってか
それより龍心。そいつか?
連れて来るとか言っていた奴は…』

清水さんは、バッサリとツッコミ俺に聞いてきた。
鈴木さん…俺の隠し子じゃないから。
それに…清水さん。
拾ってきたって…犬猫みたいに。

俺が話しかけた相手は、浮遊霊の清水さんと
おねぇ系の鈴木さん。
浮遊霊と言うのは、未練があり成仏が出来ない霊。
霊にも3種類ある。
自由に動き回る事も出来るし、
人にまとわりつくのもその浮遊霊だ。

まぁ、この2人のように楽しんで成仏しないのもいるが
そして、生きているのだが
想いだけ強過ぎて魂だけ移動してしまう生き霊。
そして、1番厄介なのは…地縛霊。

相手の恨みが強過ぎて怨霊化してしまう
可能性が高い霊。
人を死に引きずり込もうとするのは、
地縛霊の仕業が多い。

あぁ、この子は、長谷部ゆいかちゃん。
言っていた彼女の妹さんだよ。
まぁ、だった……が正しいかな。
俺は、代わりに自己紹介してあげた。
ゆいかちゃんは、驚いて俺の後ろに隠れてしまう。

『あら、そうなの?
私は、鈴木凛子(すずき りんこ)
よろしくねぇーゆいかちゃん』

『嘘を教えるな。鈴木凛太郎のくせに。
俺は、清水淳(しみずあつし)よろしくな。
うん?ってか、コイツ死んでいるのか?
確かに俺と同じ感じだけど、まだ子供だろ!?』

清水さんは、小さな子供の霊に驚いていた。
俺は、事情を2人に話した。彼女の事を話しても
妹の事は、話していなかった。

『まぁ、こんなに小さいのに苦労したわね。
もう大丈夫よ。私がゆいかちゃんを協力して
仲直りさせてあげるわ』

『オカマは、ともかく。そうだぞ。
俺達が協力してやる。
俺達が居れば、仲直りなんてあっという間だ!!』

『……うん』

泣きながら話す鈴木さんと同情す清水さんに
ゆいかちゃんは、不安になりながらも
頷いてくれた。