一度離して、落ち着いた。
「私、創始の事、好きだよ。」
「うん。」
「だからこそ、創始から離れたの。」
驚いて、悠空を見た。
「え?」
「私、もう迷惑かけたくない。創始といると、甘えちゃう。」
何か、違う……。
どうしたんだよ……。
「だから、もうこれで、さよならだよ。」
「何で……」
「今までありがとう。私ね、前を向くことに決めたから。」
そう言って、俺にキスをしてきた。
付き合ってる時は、恥ずかしがって自分からしてくれなかったのに。
悠空は、変わったんだ、昔から。
俺も、前を向かなきゃ。
「ありがとう、悠空。愛してたよ…」
悠空、悠空、悠空、、、
悠空の後ろ姿に心の中で叫び続けた。
でもそれは、行くなっていう意味じゃなくて、
頑張れよ!
っていう意味を込めて。
泣恋 完
灑亜耶Side 愛恋
「あ〜あ。もうGW終わったし、これから体育祭かぁ。」
「部活動対抗リレーが楽しみだな。」
「えぇ…まぁ、翔は足早いもんね。」
1年の中で一番嫌いな、体育祭。
だって同時に、ミスターコン&ミスコンがあるし、
文化祭も同時開催だから、
忙しいし。
午前中が体育祭で、午後が文化祭なんて、
超疲れるじゃん。
「翔はミスターコン優勝でしょ?どうせ。」
「お前だって、去年2位だったじゃん?」
そーいう問題じゃなくて…
「まぁまぁ、楽しもうよ!」
あれからの創始は、今までより爽やかでいい子になった。
おかげで、モテまくりだよ。
「さしすせそスーパー幼馴染だぁー!」
「翔先輩格好良い!」
「創始君、最近いいよね!」
「須偉先輩って、4月の学年思考テスト、1位だったよね!」
「芹奈って、髪の毛くるくるでクソかわええ。」
「あのメンツはやべーわ。」
やっぱり人気だな…皆。
それに比べて私って……、、、
「何落ち込んでんだよ。」
「ひゃあ!」
翔が急に顔を覗き込んだせいで、変な声が出た。
「え、まじで何?」
「あ…ごめん。」
何か、この前翔に抱きついて泣いてから、妙に意識しちゃう……。
なんでだろ。
「てか、お前相当人気だな。」
「え?私の事なんて誰も言ってないよ。」
「灑亜耶、耳鼻科行ったら?」
須偉にそう言われて、耳をすませた。
「小さいから聞こえねぇの?w」
「はぁ!?」
確かに私は、身長150センチしか無い。
これでも最近伸びてきたんだけど、翔と30センチ以上も差がある。
そりゃ、185センチもあれば、モテるよね……