「おい、起きろって!」
この声で、私の一日が始まる。
大好きな幼馴染の声で。
注 恋愛感情とかじゃなくて、
普通に、ね?
「ん〜、もうちょっとだけ…」
「もうちょっとじゃね〜よ。早く!」
私を起こす彼は、
幼馴染の一人、清水翔。
お隣さんで、
私の目覚まし担当。
「あ〜、灑亜耶やっと起きたっ?」
彼女は芹奈。
私の幼馴染。
元ギャルで、喧嘩っ早い。
でも、いつも朝ごはんを作ってくれる。
私のお母さんみたいな存在。
「早く行こー!」
朝から唯一元気がいい、創始。
M系男子で、この中でいっちばん素直で可愛い。
彼も、私の幼馴染だ。
「技術室で、早くたんすの修理したいよ〜」
でも、ただの機械ヲタクだったりする。
「朝から何寝ぼけてるんだ。」
この固っ苦しい野郎は、須偉。
まぁまぁイケメンな癖に、勉強にしか興味が無い。
こいつもある意味、オカンだ。
「今日から高校3年生だろ?クラス替え、気にならね?」
翔は、あえて大っきい声で、私に聞こえるように言った。
翔…私を釣るのうまい。
「皆、早く準備しよー!」
「お前だけだよ、準備してねぇの。」
そんなこんなで、一日が始まった。
「また翔と同じクラスぅ…」
「俺だって嫌だよ。」
特に仲良い幼馴染、翔。
無駄にイケメンでモテて、毎年文化祭のミスターコンで優勝してる。
だけど、誰とも付き合わないんだよね。
その理由は、聞いちゃいけない気がするから、聞かないけど。
「ひゃあ!ははひへ〜(離して)」
急に翔にほっぺを掴まれた。
「お前が嫌とか言うから。」
こういうとこが、小学生男子なんだよなぁ。
「キャ〜!翔君と同じクラスぅ!」
後ろの方で、女のコ達が騒いでいる。
確かにイケメンだよ、翔は。
でもね、
寝相悪いし、意地悪だし、おまけに私には当たりがひどい。
「さしすせそスーパー幼馴染が、皆同じクラスだよー!」
さしすせそスーパー幼馴染。
これは、私達の呼び名だ。
灑亜耶のさ
翔のし
須偉のす
芹奈のせ
創始のそ
何でスーパーなのかはわからないけど、
私達はさしすせそスーパー幼馴染という呼び名をつけられた。
「翔君!」
早速一人の女のコが、翔と話しに来た。
「何?ていうか、誰?」
あらら…
翔ブリザードだ…
いつもの様に女のコ達を引き離して、須偉と一緒に教室を出ていった。
あ〜あ。
いつもあ〜いう風なんだから。
もっと、女のコに優しくしたらいいのにね。