瞬side
「…お前、気持ちわりぃよ。」
好きな男から言われた言葉だった。
それは冷たく放たれて俺の胸を突き刺した。
「待っ、」
…止めてなんになる。
好きだと伝えた返事がアレだ。
「瞬!」
その頃の俺には一つ下の幼馴染が居た。
「…瞬、なんかあった?」
結城 雅。
わかりやすいほどの好意を俺なんかに持ってくれている幼馴染。
「なにも。…早く行くぞ、遅れる。」
何も無い日。
…何も、無かったんだ。
「紘都?どうした…「振られた。」
ずぶ濡れで部屋に入ってくる紘都はフラフラしていていつもとは違った様子だった。
「振られたって…」
「…女だよ。」