「…好きにしろ。でも…アイツに手出したら許さないからな。」


そう告げると瞬は俺に微笑みかけた。
その微笑みはあの学生の頃、俺が一目惚れしたあの微笑み。


…あのままで瞬がいたら俺は叶わぬ恋を夢見ていたかな。

逞真にも出会えずに、どんな人生を生きていたんだろう。






「おやすみ、雅。…愛してるよ」


口元に押し付けられた布を受け入れると、意識が遠くなる。






「……愛……し……て…………────」













遠くなる意識の中確かに見えた。
冷たく俺を見下す瞬の顔が、恐ろしく歪む様が。