「マスコミはこの手のモノを欲しがってる。それも黒羽 逞真のように有名どころのモノを。」
瞬が説明している隙を狙って、ヒラヒラしている写真を奪った。
「…………………」
逞真の写真を破くのは心が痛むけど、仕方がない。
…でもおかしい、これが無くなれば決定的な写真がなくなって脅す内容が消えるはず………なんでそんな余裕で…
「昔から雅は詰めが甘いね。」
破くのに手こずっていた手を掴まれ、そのままソファに押し倒された。
「破かれることは予想の範囲内。」
つまり、これ以外にも……────
「写真は何枚だってある。」
ニヒルに笑う瞬。
いつだって、なんのゲームだって勝てた事はなかった。
やっぱり俺は一生、この男に勝てないままだ。