「…何の用?」
正直もうこの男に好意はない。
未練もなにも、残ってはいないのに。
「幼馴染に会いに来るのに理由がいるか?」
「こっちだって忙しいんだからな…」
って、こんなラフな格好じゃ伝わらないか。
「玄関を開けた時はあんなに嬉しそうな顔をして…誰と勘違いした?」
俺をからかうように口角を上げる瞬は、相変わらずのサディストっぷりを発揮させる。
「別に誰も。…とにかく、今日はもう寝るから帰ってくれない?」
逞真にはまた明日連絡しよう。
…明日も連絡取れなかったら、事務所に乗り込んでやる。
「黒羽 逞真とは上手くいっているか?」
「…関係ないだろ。」
「その様子じゃ喧嘩中か?…無理もないな、あんな浮気男。」
浮気男…?
逞真のことを言ってるのか?
「逞真が浮気なんて「するわけない?じゃあこの写真をどう説明する?」
テーブルに広げられた何十枚もの写真。
それを拾って見てみると、何かが頬を伝った。