「“最近少しずつ体重が平均体重に近づいている。やはり恋人の力は大きいようだ”」
ここにいる者達は純粋に社長の幸せを願い、最早崇拝の域に達している。
そんなファンクラブを立てた私も…あの人を尊敬し、憧れている。
……あの人のお傍に居ると決めたのは、2年前の事だった───。
───
容姿端麗
頭脳明晰
文武両道
中学生時代から大学生時代まで
“高嶺の花”と呼ばれていた。
高嶺過ぎると近づけないと、恋人を作ることすらできずずっと1人。
困った事があっても皆私を助けようとしない。
皆、私を過信し過ぎていた。
「榎本さん、ちょっといいかな」
初めて異性に話しかけられたのは大学生の時。
確か噂では王子様、とか言われていた男だった。