すると先生は嬉しそうに目じりにシワを作り、ゲームソフトを近くの机に置いて近づいて来た。


「そうか。新入生か」


そう言ってカズヤを見上げて「やけに大きいね」と、笑った。


カズヤの身長は先生より10センチほど高い。


「君は柔道とか、スポーツの方が似合いそうだけど」


「キックボクシングをしてます。でも、この学校にはキックボクシング部はないですよね? それなら、ゲーム研究会が一番合うと思って」


カズヤはそう言って笑った。


一応、初めて会話する先生に向けての態度は気を付けているようで、内心安心した。


「あぁ。そうなのか。けど、このゲーム研究会は好きな時に来て好きなゲームをするだけの部活なんだ。それ以外の活動はあまりしていない」


先生はあたしたちを眺めるようにしてそう言った。


「好きなゲームを好きなだけできるなんて、最高じゃん」


そう言ったのはイクヤだった。


あたしも、イクヤの意見に同感だった。


「ゲーム大会に参加するわけでもないし、つまらないかもしれないけど、それでもいいなら入部するといいよ。ちなみに、毎週水曜日……明日だな。明日は部活は休みの日だから」