☆☆☆

《危険なゲーム》の噂は本当だった。


それはただのホラーゲームでも、年齢指定のゲームでもない……。


命を落とすかもしれないゲームだった。


どうにかミホの血を体から拭き取ったあたしは、その場に座り込んでいた。


ホナミたちが雑巾を探して床も綺麗にしてくれたけれど、血の臭いが鼻腔にこびりついて離れない。


「どうして誰も助けに来てくれないの……」


ホナミが涙をぬぐいながら言った。


さっきから繰り返し叫び声を上げたり、騒音を立てたりしているのに誰1人として来てくれないのだ。


まるで、この倉庫だけ別空間に存在しているような感じがする。


「なぁ、ゲームどうするんだよ」


イツキの言葉にあたしは画面へ視線を向けた。


いつの間にかミホのキャラクターは消えていて、残り5人になっている。


「やるわけないだろ」


イクヤが声を震わせて言った。


その目には涙が浮かび、声も変わっている。


「でも、これ見ろよ」


イツキは画面上を指さして言った。


右上の包帯男の下に、さっきと同じようなカウントダウンが出ているのだ。