その時だった。


体の向きを変えたことでゲーム画面が視界に入った。


さっきまで暗転していた画面には光が戻っていて、《ゲームクリア》の文字が表示されている。


「なによそれ……」


あたしの声は自分でも驚くくらいに震えていた。


これでゲームクリアってどういうこと?


結局、全員死んで終わりってこと!?


すべての希望を失いそうになったとき、無数に伸びてきていた手が倉庫のドアへ向かっていることがわかった。


え……?


『私たちは、ホラーゲームに誇りを持っている』


今までとは違う、そんな声が聞こえて来た。


それは倉庫内に幾重にもなって響いているように感じられた。