運よく土砂の中から抜け出すことができた人も、土の重みに耐えかねた屋根が落ちてきて押しつぶされた。


窓が大きな音を立てて割れ、土から顔を出していた人の首に突き刺さる。


「嫌……やめて!」


あたしは思わず叫んでいた。


こんなのひどすぎる。


この人たちが一体なにをしたっていうの!?


『痛い、苦しい……』


『誰か助けて……』


その時、あたしへ向けて土砂の中から無数の手が伸びてきた。


「ひぃ!!」


あたしは咄嗟に身をひるがえし、その手から逃れようとする。


しかし、自分の体も土砂に埋もれてしまい、思うように逃げることができない。