「私は坂本琴葉(さかもと ことは)。三年生で副生徒会長よ。よろしくね、芽衣ちゃん!」

私を解放しないまま自己紹介

・・・・・・私が今後、この人に関わることなんてなさそうだけど

とりあえず「はい」と返事をした

「で、そこにいるのが大郷碧。一年生で書記よ」

一年生・・・・・・ずっと先輩だと思ってた

私よりも30cmくらい、身長に差があるから

「えっ、ちょっと雑すぎません?!」

「いや自分でしなさいよ」

「えぇ・・・・・・なんか理不尽」

ぶつぶつと呟いていたけれど、しゃきっと背筋を伸ばして改めながら

「俺は大郷碧。小鳥遊さんと同じ一年生で、生徒会の書記。で、連れてきた本題なんだけど・・・・・・」

大郷くんはそこまで言って、ぴっと開け放たれた生徒会室の扉を指さす

「中に入ってから説明しよう」




「はいどうぞ」

「あ、ありがとうございます」

小さい簡易スペースに用意された机と椅子に腰掛け、紅茶を提供される私

ティーカップを持ってきてくれた琴葉先輩は、にこにこ笑いながらお盆を持ってどこかへ行った

さて、何故私がこのような状態に陥ったのか

不思議でたまらない。魔法協会に連絡すらいれてないけど、いっか

「でさ、小鳥遊さん、化物が見えてたんだ」

「えっ、ほんと?あの子が?」

「うん、それもはっきりと見えてる感じ」

「でもあの子がここに入っても、重荷になるだけじゃ」

「まあそこは本人に掛け合ってみるけど・・・・・・命懸け、だし」

「私達は家の宿命よ。でもあの子の顔、協会でも見た事ないのよ?」

「知ってる。だけど素質があるからには聞いてみなきゃ」

・・・・・・筒抜けすぎる

私が魔術で強化した耳では、どんな音でも拾える