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人混み、太鼓の音、ずらっと並ぶ屋台。
祭りに来たんだなあって実感する。
「二人とも、何食べたい?」
琉唯くんが屋台を見ながら話しかける。
「綿あめ、食べたいかも」
唯吹くんが呟く。
「あっ、私も食べたい!」
唯吹くんに乗って言ってみると、
「じゃー、買いに行くか!」
と琉唯くんが言って、屋台まで歩き始めた。
琉唯くんは私の綿あめを買ってくれた。
自分のを買ってきてないから、と言って、私の綿あめをちぎって食べた時は、少しドキドキしてしまった。
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綿あめやりんご飴を食べて歩いていると、いつの間にか暗くなってきていた。
「もうすぐ花火かなー」
と呟いた。
(、、花火が終わったら帰らなきゃいけないし、今日が終わっちゃうんだなあ、、)
そんなことを考えていると、
「花火が終わったら、公園で線香花火してから帰ろうよ」
と唯吹くんがにこにこして話した。
唯吹くんの笑顔は安心させてくれる。
輝く大輪が何輪も打ち上がった。
それは綺麗で、
とても、
儚かった。
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